ピッキングとは

作業倉庫

ピッキングとは？

ピッキングとは、物流および倉庫管理における不可欠な作業プロセスの一つであり、伝票や指示書（通常、ピッキングリストと呼ばれます）に基づいて商品を選別し、取り出す（ピックアップする）作業のことを指します。このプロセスは物流業界において極めて重要で、適切なピッキングによって、倉庫および配送センターの運用を効率化し、コスト削減や顧客満足度の向上を実現できます。主に「シングルピッキング」と「トータルピッキング」の２つの方法があります。

シングルピッキングとは

シングルピッキングは、個別の注文に基づいて商品をピックアップする方法です。
「摘み取り方式」とも呼ばれます。特徴は以下の通りです。

個別な注文処理: 各注文が個別に処理され、正確な商品のピックアップが行われます。

正確性: 商品の混同を避け、正確なピッキングが求められます。

時間と労力: 大量の注文に対しては、時間と労力がかかることがあります。

シングルピッキングは、ピッキング方法の中で最も基本的な作業方法です。
オーダーの数だけ倉庫内を往復する作業が発生するため、出荷件数が少なくSKU※数が多い場合の作業方法として適しています。

EC・通販などのBtoC系の物流センターなどで多く採用されています。
納品先が多く、多品種少量の運用に適したピッキング方法です。
※SKU/Stock Keeping Unitnoの略で受発注・在庫管理を行うときの、最小の管理単位をいいます。

Person to Goodsとは

トータルピッキングとは

トータルピッキングは、複数の注文や商品を一度にまとめてピックアップする方法です。「種まき方式」とも呼ばれます。主な特徴は以下の通りです。

一括処理: 同じエリアで複数の商品や注文を一括してピックアップします。

効率性: 移動時間が最小限に抑えられ、効率的なピッキングが可能です。

時間節約: 多くの場合、短時間で大量の注文を処理できます。

トータルピッキングは、物流センター内での作業員の移動距離・時間を効率化できる点が最大のメリットであるため、作業動線が重なりやすい、出荷件数が多くSKU数が少ない場合の作業方法として適しています。

物流センター内での作業員の移動距離・時間を効率化できる一方で、仕分け作業の工程が追加で発生するほか、仕分け用スペースも必要となります。
店舗配送など、納品先が少ないもしくは一定で、少品種大量出荷の運用に適したピッキング方法です。

ピッキングロボットとは｜物流倉庫の課題と問題の解決

物流ピッキングのメリット

正確な在庫管理

物流ピッキングは正確な在庫管理を可能にし、商品の位置と数量を追跡しやすくします。これにより、在庫不足や過剰在庫を最小限に抑えることができます。

顧客満足度の向上

正確で迅速なピッキングプロセスは、注文の正確な履行と迅速な出荷を可能にし、顧客満足度を向上させます。

効率性の向上

ピッキングプロセスの効率化により、労力や時間の節約が可能です。特にトータルピッキングを導入することで、移動時間が最小限に抑えられます。

適切な品質管理

ピッキングプロセスに品質管理手順を組み込むことで、不良品を検出し、不正確な商品の出荷を防ぐことができます。

在庫回転率の向上

効率的なピッキングプロセスにより、商品の迅速な出荷が可能となり、在庫回転率が向上します。

物流ピッキングのデメリット

ピッキングエラー

人為的なエラーや商品の混同によるピッキングエラーが発生する可能性があり、正確性の維持が課題です。

時間と労力

物流ピッキングには多くの労力と時間がかかることがあり、特に大量の注文を処理する際には適切な計画が必要です。

労働力のトレーニング

ピッキング作業に従事する従業員にはトレーニングとスキルが必要であり、トレーニングのコストがかかることがあります。

季節的な需要変動

物流ピッキングは季節的な需要変動に対応する必要があり、ピーク時には追加の労力やリソースが必要です。

自動化の導入コスト

自動化技術の導入には高い初期コストがかかるため、中小企業などが導入に躊躇する場合があります。

株式会社関通でのピッキングの特徴

自動化技術の活用

関通では、自動化技術を積極的に導入し、高精度、かつ低コストなピッキングを実現しています。例えば、自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」を活用し、商品の保管、移動、取り出しを効率的に遂行しています。さらに、RFIDや自動梱包機などのロボットを導入し、商品の入荷から出荷までを効率的かつ正確に処理しています。当社では、物流をロボットと人間が連携して進化させていくというビジョンに基づき、ピッキングの効率化を実現するためのソリューションを提供しています。

多様なニーズに対応

関通では、お客様の多様なニーズに迅速に対応するため、さまざまな種類のピッキング方法を提供しています。シングルピッキングやトータルピッキングに加えて、ゾーンピッキングやウェーブピッキングなど、歩数削減方法も導入しています。さらに、冷凍・冷蔵倉庫などの専用施設を備え、適切な温度管理や衛生管理を徹底して行っています。

まとめ

ピッキングは、物流および倉庫管理の重要なプロセスで、伝票や指示書に基づいて商品を選別し取り出す作業を指します。主なピッキング方法には、シングルピッキング（個別の注文に基づく）とトータルピッキング（複数の注文を一括して処理する）があります。ピッキングのメリットには正確な在庫管理、顧客満足度向上、効率性の向上、品質管理、在庫回転率の向上がありますが、ピッキングエラー、時間と労力、労働力のトレーニング、季節的な需要変動、自動化の導入コストなどのデメリットも存在します。

株式会社関通では、自動化技術を積極的に活用し、高精度で低コストなピッキングを実現しており、多様なニーズに対応するためにさまざまなピッキング方法を提供しています。この取り組みにより、物流業界におけるピッキングプロセスの効率化と品質向上を実現しています。