理論在庫とは
理論在庫とは?
理論在庫とは、仕入れ伝票や売上報告書などをもとにして記録された入出庫情報による帳簿の上での在庫のことをいいます。
目視ではなく記録をもとに数字上でのデータ在庫のことをいい、
「帳簿在庫」や「伝票在庫」とも呼ばれることがあります。
例えば1,000点同じ商品を入荷して、500点出荷されていたとすると
理論在庫は500点となります。
システムによる受注処理や売上処理、入荷処理といった伝票処理によって
在庫情報が更新されるため、リアルタイムで実物の在庫と連動していません。
また、業種や企業の規模によりますが入出庫だけではなく、
在庫中の不良品が見つかり、在庫から取り除いたり、倉庫内での商品の移動などでの処理もデータに登録する必要があるため、理論在庫は増減します。
理論在庫と実在庫の違い
理論在庫に対して実在庫とは商品を目で見て数えた
実際に存在する在庫のことをいいます。
倉庫管理システム(WMS)で管理することで実物のバーコードをスキャンすると
WMSの在庫情報も更新され、実物の在庫として扱えます。
この数字が理論在庫と一致すれば業務が問題なく行われていることになります。
ほとんどの倉庫が実際に商品を数えて理論在庫と照合する
「棚卸し業務」を期間を決めて行い、データの変更漏れがないか
商品の損失や在庫のズレが生じていないかをチェックしています。
▼在庫管理についての詳しい記事はこちら
在庫差異はなぜ起きる?
棚卸しを行うとほぼ必ず理論在庫と実在庫のズレが出てきてしまいます。
その要因の1つとしてデータ更新時のタイムラグが挙げられます。
システムで出荷の引当を掛ける時、実際にまだ入荷されていない数量を含んだ
入荷予定データの数を引当の在庫に計上するのに対して、
WMSで実物の商品が入庫した時点で入庫実績のデータをもとに在庫計上をするのでタイムラグが発生するのです。
その反対に実際に入荷している在庫で実在庫として計上されているにもかかわらず
システムで計上されていない時は理論在庫として反映されていないので
欠品とみなされてしまいます。
このようにWMSでは実在庫を基準に処理を行うのに対してシステム上では実在庫を基準にしない伝票処理を行うので処理のタイミングにズレが生じて理論在庫と実在庫との数字に差異が出てくるのです。
その他に、カウントミス、作業漏れ、棚卸しのミス、データ変更時のミスなど
様々な原因が挙げられます。
まとめ
様々な企業努力をもってしても理論在庫と実在庫の差異は作業を人間が行う以上必ず発生してしまいます。
理論在庫はできるだけリアルタイムで取り、WMSで管理をすることで
効率のよい作業ができます。
さらに間違いに早く気づくようチェックする体制を整えて差異を軽減する工夫が大切なのです。
株式会社関通では自社開発のWMS「クラウドトーマス」を使い、実在庫と理論在庫の誤差0を目指しています。
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年間700万個出荷の物流を扱う関通が日々現場で蓄積している、「すぐマネできる」改善ノウハウをご紹介しています。