AGV(無人搬送車)とは|物流で使われるロボットの重要性やそのメリット


AGV(Automatic Guided Vehicle)とは、無人搬送車もしくは無人搬送ロボットのことを指します。
近年、AIやデータ分析の技術が進み、AGV(無人搬送車)が物流現場にて導入されることが世界的にも増えております。
AGV(無人搬送車)は90年代からありますが、昨今では屋内外で使え、AIを搭載することで、人との協働を想定して製造されています。
今回は、そのAGV(無人搬送車)について、物流現場で使うメリットやポイントなどをご紹介していきます。

AGVとは

ロボット

そもそもAGVとは、どういうものなのかをまずはご紹介します。
AGV(エージーブイ)は、無人搬送車無人搬送ロボットと訳され英語表記では「Automatic Guided Vehicle」と書き、その頭文字を取った言葉になります。
AGV自体は90年代ごろから工場の製造ラインなどで使用されいました。
しかし、当時のものは、もちろん屋内での運用を想定され、庫内に搬送用の磁気テープなどを引き、決められたルートを動くしかありませんでした。
近年、ビックデータやAIの技術が発展したことにより、AGVも進化しました。
今では、屋内外での動作はもちろん、不定型なルートを自律走行で動きます。
合わせて、今までは人とロボットの協働は考えられず設計されてきたAGVも、様々な動きが可能となったため、人とロボット協働を想定されたAGVとなっています。
AIも搭載されたものもあり、AIによる様々なデータ分析からAGVの可能性が世界的にも認められ始めています。

AGVとAMRの違い

AGVとAMRは、中身が全く異なるものになります。
AGVは、「A地点からB地点へモノを運ぶ」ためのクルマになります。
AMRは、「人と稼働範囲を共有している場所でモノを運ぶ」ためのロボットになり、
「人とロボットが補完し合う関係」を構築することができます。

また、現場への導入も大きく違います。
AGVは、走行するための磁気テープなどのガイドラインを必要とするため、
導入前に現場のレイアウト設計などが重要になってきます。
最近では、カメラによる位置情報の判別で移動するものもあるようです。
AMRは、倉庫内を一周させ、現場全体をマッピングするなどで導入をすることができます。

>AMRについてはこちら

AGVの重要性

倉庫

では、物流現場におけるAGVの重要性はあるのでしょうか?
庫内業務において、近年最も注目されている物流において、AGVはやはり注目されており、様々な大手企業の物流現場でも導入され始めています。
生産性という観点で、広い庫内作業において、人の「動き」は最重要課題です
そこにAGVとの組み合わせにより、物流現場はさらなる進化を迎えるかもしれません。
実際に米アマゾンの庫内では、商品がAGVによて作業者の前に運ばれます。
これは作業者の負担減や、データにもとづいた商品の正確なピックなど、物流現場にもたらす影響は計り知れないと言えるでしょう。

 

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導入によるメリット

メリット技術革新により、様々な分野で注目を集めるAGVですが、

物流現場におけるAGV導入のメリットは、この3つが考えられます。
1:作業者の負担削減
2:商品間違いなどのミスの削減
3:コストの削減
 
1:作業者の負担削減
広い庫内作業において、作業者の動き、また歩数などは生産性で常に重要視される部分です。
しかし、あくまで作業をするのは「人」です
その日の体調や、疲労の蓄積などもあります。
ですがAGVは、それらを感じることなく、ただひたすら作業を繰り返します。
現場設計にもよりますが、例えば梱包台に作業者を配置し、あとはAGVが該当商品を取りに行き、梱包台へその商品を運ぶ。
これだけでも作業者の負担は大きく削減されるでしょう。
2:商品間違いなどのミスの削減
これも同じく、作業者である人はやはり間違えることがあります。
WMSを使用している現場でもいかに間違えないかを考える設計が必要となります。
AGVによるピッキングが実現できれば、入出荷データを元に予め設定されたロケーションを元に動くので、取らないといけない商品の隣の商品を取ったなどの間違いがなくなり、確実に該当商品を運んでくることができます。
3:コストの削減
ロボットによる作業により、経営者目線で見た際に現場単位でおけるコスト削減が大きなメリットではないでしょうか。
米アマゾンでは、1つの倉庫内で年間2200万ドル(日本円でおよそ24億円超)のコスト削減ができたと一部の報道が報じたようです。
人件費やその他の企業に関わるコストをこのAGVで賄うことは、企業としてもメリットではないでしょうか?

AGVのデメリット

デメリット

注目のAGVですが、デメリットはやはりその「導入コスト」ではないでしょうか?
先も述べましたアマゾンがこのコスト削減を実現できたのは、大企業であり、莫大な資本があることで実現できたということもあるかもしれません。
たしかにロボットの導入は容易ではありません。
コストはもちろん、現場設計の見直しも必要です。
しかし、広い庫内で作業をする従業員への負担減など、企業にもたらすメリットは確実にあります。
導入の際は、企業内でのそこを天秤にかけることが大事になってきます。

上手く運用するためにすべきこと

倉庫

AGVを導入し、上手く運用するためのポイントはこの2点ではないでしょうか?
1:現場設計
2:何をどこまでやってもらうか
 
1:現場設計
ここは導入前にしっかりと組んでおいた方が良いポイントです。
棚の配置はもちろん、ロケーション間口設定通路幅など、導入するAGVに合わせた設計が必要となります。
この設計をすることで、スムーズな導入が可能となるんではないでしょうか。
2:何をどこまでやってもらうか
AGVを導入した後、このAGVがどこまでの作業を受け持つかをしっかり決めた運用が良いのではないでしょうか。
1つは、ピックを全て任せ、梱包台までのピック作業を任せるといった方法、他には、件数の多いピックにおいて、トータルピッキングをAGVに任せるといった方法も考えられます。
そういったそれぞれの現場に合わせた運用を事前に決めていく必要があります。

まとめ

技術革新と大企業の導入とその成果により、注目を浴び始めたAGV。
AIの発達により、その可能性はまだまだあります。
今後もこのAGVはもちろん、物流現場におけるロボットの参入は、進むことでしょう。
この流れに乗るか乗らないかは、各企業で見解は異なるかもしれませんが、常にアンテナを張っておいた方が良いコンテンツではないでしょうか。

年間700万個出荷の物流を扱う関通が日々現場で蓄積している、「すぐマネできる」改善ノウハウをご紹介しています。

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