ロジスティクスとは|物流業界を取り巻く大きな課題


ロジスティクスとは、物を保管して運ぶだけではなく、
物の流れを顧客のニーズに合わせて効率的な形で計画・実行・管理することです。
つまり、「仕入れから出荷まで」を表すサプライチェーンプロセスの一部という意味も含まれているのです。

また、ロジスティクスとよく同じような意味合いで使われる物流という言葉は、
6つの機能(輸送や保管、包装、システム、流通加工、荷役)
を含む「物の流れ」を意味しています。

今回は、そもそも「ロジスティクス」の意味合いや、「物流」との違い、
そのメリットや目的、今後のロジスティクスの変化についてご紹介させて頂きます。

ロジスティクスとは

ロジスティクスとは

ロジスティクスとは

ロジスティクス(logistics)とは、
もともとは軍隊での用語として使わている言葉でしたが、
現在では、物流の輸送・保管・包装・システム・流通加工・荷役を高度化し、
調達や生産、回収や販売などの分野を統合して、
需要と供給の適正化を図ることを意味します。

それ以外にも、社会的課題(環境保全、安全対策など)への対応を目指す戦略的な
経営管理の意味もあります。

ロジスティクスと物流の違い

ロジスティクスと物流の違い
ロジスティクスと物流の違いについて、まずは物流の意味を説明します。

物流とは、
英語にするとPhysical Distribution(フィジカルディストリビューション)となり、
直訳すると、物的流通という意味になります。

そのため、物流とは、物を供給から需要へ移していく過程の活動のことを指し、
一般的に、6つの機能(輸送や保管、包装、システム、流通加工、荷役)を総合管理する活動という意味合いで使われます。

つまりロジスティクスと物流の違いは、
物流は「活動」、ロジスティクスは「経営管理」「物流全体の最適化・適正化」と分けることができます。
つまり、ロジスティクスは物流を含んだトータルの管理と最適化となります。

▼こちらの記事も合わせてごらんください

物流とは?|物流の機能や種類、ロジスティクスの違いについてご紹介

今、物流業界を取り巻く大きな課題

物流業界を取り巻く課題

昨今、物流の2024年問題などで物流を取り巻くコストは上がっています。

▼物流の2024年問題については下記の記事にご覧ください。

物流の2024年問題とは|物流業界で起こる働き方改革での問題や対策

人件費、倉庫家賃、輸送費・・・
全てにおいて上昇をたどる一途です。

そのような、今の物流環境に必要なのは、
「無駄」をいかに排除し、「シンプルさ」をいかに追求できるか
を模索し、実現していくことでないでしょうか。

物流企業や物流部門には、
「ロジスティクス・システム全体または一部に関する
PDCA(企画・実行・検証・改善)を提供すること」

が必要になってきていると思われます。

株式会社関通では、現場構築からシステム導入まで、
PDCAを用いて回していくことで、お客様の出荷の波動に対応し、
お客様満足度向上をはかっています。

ロジスティックスの目的は

製品やサービスの供給を最適化することにあります。
具体的には、製品やサービスを顧客に迅速かつ正確に提供することを可能にするために、以下のような目的があります。

生産・調達の最適化

需要予測や生産計画、調達戦略の策定などを行い、必要な量を最適化することで、ムダな在庫を抑え、生産性を高めます。

在庫管理の最適化

最適な在庫レベルを設定し、在庫コストを抑えつつ、顧客要求に迅速に応えることができます。

輸送の最適化

輸送ルートや輸送手段を最適化することで、配送コストを削減し、配達時間を短縮します。

顧客サービスの向上

顧客からの問い合わせや苦情に迅速に対応し、製品やサービスの配送状況を顧客に通知することで、顧客に安心感を与えることができます。
例えば、配送状況の追跡サービスを提供することで、顧客が製品やサービスの到着を待つ間に、不安や不便を感じることを軽減することができます。

⑤環境負荷の低減

輸送のルートや方法を最適化することで、環境負荷を低減することもロジスティックスの目的の一つです。

これらの目的を達成するために、ロジスティクスは、製品やサービスの供給における全体的なプロセスを考慮して、生産計画、調達、在庫管理、輸送、配送、顧客サービスなどの物流活動を統合的に行います。

ロジスティックスとSCMの関係性は

ロジスティックスとSCM(Supply Chain Management)は、密接に関連する概念であり、組織のサプライチェーン(供給チェーン)における機能の最適化に焦点を当てています。

ロジスティックスは、経営戦略的な視点から生産・仕入れ・販売の計画立案や、在庫管理、輸送、配送などを含めた、より広い範囲の業務を指します。

一方、SCMは、製品やサービスの供給チェーン全体を見渡して、企業間の関係を調整し、製品やサービスの効率的な供給を可能にする総合的なアプローチです。

つまり、ロジスティックスは、物流に焦点を当てた業務であるのに対し、SCMは、サプライチェーン全体の最適化に重点を置いた業務ということができます。ロジスティックスは、SCMの一部であり、SCMの中でも物流に関連する部分を担当しています。

SCMは、製品やサービスの供給チェーン全体を最適化することを目的としており、ロジスティックスは、輸送や在庫管理など、具体的な物流業務に特化しています。しかし、SCMとロジスティックスは密接に関連しており、SCMの成功にはロジスティックスの最適化が不可欠であると言えます。

ロジスティクスのメリット

ロジスティクスのメリット
では、ロジスティクスのメリットはどういったものでしょうか?

ロジスティクスを取り入れることで、
様々な部分での最適化や、経営的視点でもコストの削減や、
利益を増やすことも可能です。

①生産のムダを回避する

在庫の適正化により、必要とされているモノを、必要なときに、
必要な場所に必要なだけ生産し、
生産数の把握がしやすくなり、生産で発生する余剰分がなくなります。

②適正な在庫にする

適切な在庫管理ができれば、在庫不足や、販売の機会損失を防ぐことが可能です。
不良在庫についても、在庫管理をキチンと行うことでコストのムダを抑えることができます。

③物流のコスト削減

生産のムダを回避し、在庫を適正にすることができれば、
自ずと物流のコストは削減に向かいます。

例として、生産や在庫の適正ができておらず、余剰在庫が発生してしまったとします。
その余剰在庫にかかった材料費などの生産コストはもちろん、
輸送や保管のコストが発生し、結果的に物流コストを高めてしまいます。
それらのコストを防止することで、物流によるムダなコストを削減することができます。

④営業に対する支援

ロジスティクスが確立されていない企業の場合は、
営業部門が在庫の管理をしている場合があります。
しかし、それだと本来の営業部門として活動に専念できません。

ロジスティクスを確立することで、在庫管理を正しい部門が管理し、
任せることができます。
また、部門が企業の物流をトータルに管理することで、
正確性の確保、データの信頼性も生まれます。

情報社会の現代では非常に重要で、これらにより蓄積されたデータが、
営業活動にメリットとして働きます。

ロジスティクスのこれから

ロジスティクスのこれから
ロジスティクスを進める上で重要なことの1つとして、
システムやテクノロジーが上げられます。

物流の最適化の1つとしての在庫管理ではWMSが挙げられますが
それ以外での受発注のシステムや、RPAによる自動化など様々なテクノロジーが、
今後のロジスティクスには重要となっていきます。

AIによる生産などの管理、ロボットによる事務作業の自動化など、
テクノロジーの活用が一般的な現在において、
それらを取り入れていくことで、ロジスティクスは劇的に進んでいくでしょう。

そんな中、株式会社関通では、
自社開発したWMSを全現場で使用し、現場ごとに効率化を行っています。

株式会社関通で使用しているWMSは、
物流会社が開発したからこその現場ありきの開発と
現場でのノウハウを取り入れたサポート体制も充実しています!

まとめ

物流と混同されやすいロジスティクスですが、
キチンと違いを理解することで、物流の改善が進みます。

・物流は「もの流れ」、ロジスティクスは「物流の最適化・適正化」
・ロジスティクスを取り入れることで、様々な余剰コストを防ぐことができる
・ロジスティクスにて、テクノロジーやシステム開発は今後、もっとも重要である

年間700万個出荷の物流を扱う関通が日々現場で蓄積している、「すぐマネできる」改善ノウハウをご紹介しています。

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