『ムダとり』の始め方|物流コラム


業種問わず、皆さまの会社でも、
日々の作業をしながらも作業効率向上を目指し、
少なからず何か活動をされていることかと思います。

また、例えその活動が自主的ではなくとも、
上司や上長、時には社長から直接、
「もっと無駄をなくせ!」
「もっと生産性を上げろ!」
と鼓舞されることもあるかと思います。

では、ただ「なくせ」「上げろ」と言われて、
皆さんは具体的にどんな行動を取りますか?
そもそも「もっと」って、どれくらいかわかりますか?
一体何をどう始めればいいのか、わからないですよね・・・。

当社が取り組んだ「ムダとり」活動は、
作業者だけではなく、上司、そして社長までもが、
「もっと」や「ムダ」ということに対して、
同じ基準で認識できるようになり、
また成果が出たかどうか計れるようにした活動です。
今ではこのムダとり活動のやり方や考え方を、
さらに発展させた活動になっています。

こういった新たな活動を始めるには、準備が一番重要です。
当社がどのような準備でムダとり活動を始め、定着させたか、
そのやり方をご紹介します。

ムダとりを始めるには、現状の数字をまず知ること

現状の数字を知ることが、一番大事なことです。
「今」を知ること。
「今」を知らないと、一ヶ月後良くなったかどうかがわかりません。
現状の数字が、ムダとりを始めるための「基準」になります。
まず、今の数字を知って下さい。
では、その「今」の数字を知るための手順をご説明します

①作業を細かく分ける

ムダとり手順①作業を細分化する
作業を、出来る限り、細かく分けて下さい。
例えば当社のような物流会社では、「出荷」という作業があります。
では、この「出荷」を細かく分けると、
・WMS端末を置き場に取りに行く
・WMS端末にログインする
・出荷指示帳票を取りに行く
・出荷指示帳票をWMS端末でスキャンする
・商品をピッキングする。
・梱包場所へ移動する。
・商品をケースに詰める
・ケースをテープで閉じる
・送り状を貼り付ける
・梱包完了物置き場へ行く
・梱包物を置く。

いかがでしょうか?
今ざっと考えただけでも、出荷作業は、11手順あります。
もちろん、細かく見れば、もっと細かくなると思いますが、
大事なことは、大きな作業項目でまとめず出来る限り細かく分けていきましょう。

②ストップウォッチで現在の各工程ごとの作業時間を計る


次が、具体的に今を知るための行動です。
細かく分けた各手順ごとで、ストップウォッチを使い時間を計って下さい。
例えば「出荷作業」が1件5分で出来るとすれば、
細かく分けたどの手順で何分かかっていて、合計5分になるのかを知って下さい。
これだけでも、その作業のボトルネック部分が見える場合もあります。

③回数を計る


各手順が何回繰り返される手順なのか、計って下さい。
もちろん、1回で終わる作業もあれば、
何回も繰り返す手順あると思います。
その回数も、計って下さい。
繰り返し作業の回数が減るのは、
それだけで大きなムダとりです。

④数字を見える化する(貼り出す)


作業を洗い出し計った数字を、貼り出していつでも見えるようにしてください。
これが、ムダとり活動を始めるための第一歩。
ここまで出来て、「今」を知る。ということになります。
ここに出された数字は、基準を作るものなので、
今この数字が良いか悪いかを問うものではありません
それは、これから始まるムダとり活動の結果で、
変わっていくものだからです。

ちなみに、記録できるものは時間や回数だけではありません。
手っ取り早く始められる記録は「歩数」です。
改善が一番顕著に出るのも「歩数」です。
早速万歩計を買って、作業中に付けてみましょう!

【まとめ】ムダとりの準備OK!

ムダとりを始めるには、まず今の数字を知ること
そのために、
①作業を細かく分ける。
②ストップウォッチで現在の各工程ごとの作業時間を計る。
③回数を計る
④その数字を見える化する(貼り出す)。
これで、ムダとり活動を始める準備がはOKです!
次回は、具体的に活動するため、
どのようなテーマでどんなムダとり改善ができるのか、
その進め方と事例をご紹介していきたいと思います。

ムダとりに、今が「最高」は、ない!
次回もお楽しみに!


年間700万個出荷の物流を扱う関通が日々現場で蓄積している、「すぐマネできる」改善ノウハウをご紹介しています。

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この記事を書いた著者について

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