サイバー攻撃から復活を遂げた関通が、平将明氏・専門家らとサイバーセキュリティについてのセミナーを開催しました【2026年1月16日(金)セミナーレポート】〜被害当事者の経験、政策、防衛、調査のプロが集結。 4つの視点でサプライチェーンを守る具体的対策と復旧プラン~

物流とITオートメーション事業を展開する株式会社関通(本社:兵庫県尼崎市、代表取締役社長:達城 久裕、以下「関通」)は、2026年1月16日(金)、関通パートナー企業を対象とした「サイバーセキュリティ勉強会」を開催いたしました。
本勉強会には、特別ゲストとして衆議院議員(前サイバー安全保障担当大臣)の平 将明氏をお迎えしたほか、数々のサイバー被害現場を支援してきた株式会社CISO 代表取締役 那須 慎二氏、株式会社デジタル鑑識研究所 代表取締役 中村 健児氏にご登壇いただきました。
当日はパートナー企業より300名を超える参加申し込みをいただき、昨今のサイバー攻撃に対する関心の高さがうかがえる熱気あふれるセミナーとなりました。本レポートでは、当日語られたAI時代のサイバー脅威や、企業が今すぐ取り組むべき「事業継続(BCP)」の要点を抜粋してご紹介します。
■開催の背景
サプライチェーンを「全員で守る」ための決意
2025年にも、名だたる大企業において甚大な被害が相次ぎ発生しました。
関通もまた、2024年9月に大規模なランサムウェア攻撃を受け、一時は経営を揺るがす深刻な危機に直面いたしました。
しかし、私たちはそこから立ち止まることなく、全社一丸となって業務を再開させ、V字復活への道を歩んでまいりました。この「サイバー攻撃からの復活」の過程で私たちが痛感したのは、攻撃を完全に防ぐことは難しいということです。物流という社会インフラを担う立場として、私たちは今、「サイバー攻撃への防衛と備えは、受けることを前提に、もはや一社で行うものではなく、パートナー企業の皆様と共に行い、サプライチェーン全体を全員で守るものである」と考えております。
本勉強会は、関通が1年間取り組んできたセキュリティ強化の実例や被害当事者だからこそお伝えできる内容に加え、政策・セキュリティ・調査の専門家の視点を共有し、企業が実践的な備えを持ち帰る場として開催しました。
■ セミナー概要(一部抜粋)
【特別講演】衆議院議員 平 将明 氏
〜「能動的サイバー防御」の幕開け。官民連携が国家の守りとなる。〜
冒頭、特別ゲストとして登壇された平 将明氏は、デジタル大臣および初代サイバー安全保障担当大臣としての知見から、日本のサイバー防衛が今まさに「新たなフェーズ」に入ったことを力説されました。
国内で約13秒に1回の攻撃が試みられている現状を「まるで自然災害」と表現した平氏。
昨年成立した「サイバー対処能力強化法」により、これまで犯罪捜査に限られていた通信情報の利用分析が、防衛目的でも初めて可能になったという画期的な進展について解説いただきました。
平氏は、「通信情報を分析しなければ、相手がどこから攻めてきているのか特定できない。今回の法律によって、悪さをするサーバーを特定し、警察や自衛隊がアクセスして無害化することが可能になる」と、国が目指す能動的サイバー防御の重要性が語られました。
また、「サプライチェーン全体での底上げが急務。まずは最初の一歩として、政府の支援メニューを積極的に活用してほしい」と、参加企業へ向けて言及いただきました。

【第1部】サイバー脅威の現状について
講師:株式会社CISO 代表取締役 那須慎二 氏
〜犯人はハッカーではなくAI。ビジネス化するサイバー犯罪の闇。〜
続く第1部では、株式会社CISO代表取締役の那須慎二氏にご登壇いただき、最新のサイバー犯罪がいかに「ビジネス化」しているかという衝撃の実態を語っていただきました。
那須氏は、世界中で1,000億円以上を巻き上げる「サイバー犯罪ユニコーン企業」の存在について、彼らはAIを駆使して攻撃を自動化・高度化させており、もはや個人のハッカーが技術を誇示する時代は終わったと警鐘を鳴らされました。
特に注目すべき点として、Windowsの標準機能を悪用してウイルス対策ソフトをすり抜ける「リビング・オフ・ザ・ランド(環境寄生型)」攻撃について解説されました。那須氏は、従来の「境界型セキュリティ」には限界があると断言。侵入されることを前提にいかに早く検知し切り離すかという「EDR(侵害検知)」の重要性と、その運用の勘所を伝授されました。
さらに、攻撃対象が「ネットにつながる全ての企業」に拡大している点にも警鐘を鳴らします。一度侵入に成功すると、彼らは盗み出した財務データやサイバー保険の契約内容を分析し、その企業が支払えるギリギリの上限額を算定して身代金を要求。AIによって攻撃の自動化と効率化が進む今、「うちは中小企業だから狙われない」という油断こそが最大のセキュリティの弱みであり、企業規模を問わず自社の脆弱性を把握し穴を塞ぐことが急務だと危機を促しました。
【第2部】今すぐやるべきチェック事項と対処方法について
株式会社デジタル鑑識研究所 代表取締役 中村健児氏
〜侵入経路の100%はVPN。セキュリティは製品ではなく『人』に行き着く〜
第2部では、元警視庁サイバー犯罪捜査官である株式会社デジタル鑑識研究所の中村健児氏をお迎えし、実際の被害現場で目の当たりにされた生々しい事例をご報告いただきました。
中村氏が指摘されたのは、高度な技術以前に潜む「ガバナンスの欠如」です。
管理者パスワードが簡易的な数字のみに設定されていたり、退職者のアカウントが放置されていたりと、高度な技術以前の「ガバナンスの欠如」が致命的な穴となっている実態が指摘されました。
そして中村氏が最も強調したのは、「セキュリティは最終的に『人』に行き着く」ということ。どれほど高価な製品を導入しても、管理する人がいなければ、翌日にはもう過去の技術になる。「製品ではなく、それを運用する体制こそが本質」という言葉が、参加者の意識改革を促しました。
さらに、万が一の際の初動対応として「触るな、落とすな、繋げるな」という三原則を提唱されました。「慌てて電源を落としてしまうと、攻撃の痕跡が消えて調査ができなくなる。まずはネットワークを物理的に遮断し、そのままの状態で専門家に相談してほしい。適切な証拠保全こそが、早期復旧への最短ルートだ」と、調査のプロとしての視点から、極めて実務的なアドバイスをいただきました。
【第3部】サイバー攻撃の対処と備えの具体例
株式会社関通 サイバーガバナンス・エグゼクティブ・アドバイザー 達城利元
〜『何をすればいいか分からない』を解消する、復旧の当事者としての実践知〜
第3部では、関通のサイバーガバナンスエグゼクティブアドバイザーである達城利元が登壇し、攻撃発生以降の徹底的な再建プロセスを報告しました。
達城利元はまず、以前からセキュリティ対策には取り組んでいたものの、ランサムウェア攻撃がそれを遥かに凌駕する規模であったことに触れ、「攻撃側は24時間365日、AIを駆使して脆弱性を探している。日常業務の合間に備える我々とでは、圧倒的に攻撃側が有利なのが現実だ」と、現在の危機的状況を振り返りました。
多くの企業様が口を揃えて語る「何から手を付ければいいのか分からない」という悩みに対し、達城利元は「被害に遭い、復活を遂げた関通だからこそ、今、真に何をすべきか、どこが急所なのかが明確に分かっている」と断言。
那須氏の指導のもと、全PCへのEDR導入、侵入経路となったVPNの全廃とルーター・通信回線の刷新など、現場目線で「本当に機能する対策」を一つずつ実装してきた歩みを語りました。
特に強調したのは、守りの固さだけでなく「何分で復旧できるか」という視点です。
バックアップを持っていても85%の企業が復旧に失敗するというデータをもとに、
「『取っているだけのバックアップ』は役に立たない。被害に遭うことを前提に、事業を止めないための復旧訓練を繰り返すこと。この実効性のある備えこそが、関通が身をもって学んだ最大の教訓だ」と、復旧を遂げた実務者としての強い信念を共有させていただきました。
【第4部】今経営者がすべきこと、そして今伝えたいこと
株式会社関通 代表取締役社長 達城久裕
〜攻撃後の事業継続プランこそが命綱。1,000社のネットワークで助け合いたい〜
最後に、2024年に17億円の被害から事業継続へと導いた当事者として、関通・代表取締役社長の達城久裕が登壇いたしました。
1日の損失が2,000万円ずつ膨らんでいく緊迫した状況を振り返り、「最初の3日間は倒産を覚悟した。しかし、被害を受けた後の対応こそが企業の生死を分ける。いかに数分で復旧できるかという『プランB』を設計しておくことが経営者の責任だ」と、実体験に基づいた決意を語りました。
達城久裕は、この教訓を自社だけのものにせず、サプライチェーン全体で共有したいという想いから「サイバーガバナンスラボ」を設立したことを明かしました。
「守る側にも横の連携が必要。まずは1,000社のネットワークを作りたい。有事にはすぐに助け合える仕組みを構築し、全員で日本のサプライチェーンを守り抜きたい」と、参加されたパートナー企業各社へ共闘を呼びかけ、2時間にわたる勉強会を締めくくりました。
■サイバーガバナンスラボについて
〜「復旧の知見」を全ての企業へ〜
「サイバーガバナンスラボ」は、2024年に大規模なサイバー攻撃を経験し、復活を遂げた関通が、自社の復旧過程で培ったノウハウを体系化し、企業の「事業継続(BCP)」を支援するために設立した会員制組織です。
多くの企業が抱える「何をしたらいいのかわからない」という課題に対し、
現状把握から、具体的な対策の実装、さらには有事を想定した復旧訓練までを伴走支援いたします。
【サイバーガバナンスラボの3つの特徴】
1.実効性のある「プランB(復旧計画)」の構築
単なる防御(侵入させない対策)にとどまらず、万が一侵入された場合でも事業を止めない、あるいは最短で復旧させるための「レジリエンス(回復力)」の構築に重点を置いています。
2.被害当事者の視点による伴走支援
関通自身が実際に活用し、効果を実証したセキュリティ対策をパッケージ化。現場目線で本当に必要な対策を、専門家と共に一つずつ実装をサポートします。
3.サプライチェーンを守る「相互扶助」のネットワーク
会員企業同士が最新の脅威情報や対策事例を共有し合えるコミュニティを形成。
将来的には、有事の際に迅速な支援や保証が受けられる「守りのネットワーク」の構築を目指します。
【詳細・お問い合わせ】https://kantsu-cgl.com//a>
■ 参加者の声 (事後アンケートより)
当日のアンケートでは、多くの方が「『何をしたらよいか分からない』という言葉に共感した」「管理者が穴になるという指摘に身が引き締まった」と回答をいただきました。
攻撃側が有利なAI時代の現実を直視しつつ、
実体験に基づいた関通の対策に対して「実践的で信頼できる」との声を多数いただきました。
一部アンケート内容を抜粋してご紹介いたします。
・A社様
「『管理者が原因の一つとなっている、何をしたらよいか分からない』まさに自分のことかと思いました。」
・B社様
「ランサムウェアのセミナーはどこも似たような内容のものが多いですが、かなり具体的に踏み込んだ内容だったので、非常に興味深かったです。」
・C社様
「防御側より攻撃側が常に有利な事がわかった。現在弊社は部署単位ではネットワークの繋がりは無いが、今後事業規模が拡大した場合、ネットワーク化は避けられないので、対策は早めにしておいて損は無いと思った。」
・D社様
「本当にいつ被害に遭うかわからない。
また、弊社の対策が充分なのかもわからない。
実際に被害にあって乗り越えた御社なので信頼できる。」
・E社様
「何から手をつけたら・・・というのが共感できる状態で、実践的な内容につなげていきたいと感じることができた。」
■ 登壇者について

衆議院議員
平将明氏
2024年10月よりサイバー安全保障担当大臣に就任。
前デジタル大臣として、日本のデジタル政策と国家セキュリティを牽引する。

株式会社CISO
代表取締役 那須慎二氏
中堅・中小企業の経営コンサルを経て、2018年(株)CISO設立。
独自の特許技術と「セキュリティを考える必要のない世界の実現」の
実現に向け、実戦的な支援を行う。

株式会社デジタル鑑識研究所
代表取締役 中村健児氏
元警視庁サイバー犯罪捜査官。 サイバー事件を多数検挙し、
警視庁内におけるサイバー犯罪捜査を牽引。退職後、捜査の知見を活かし、2022年にデジタルフォレンジック事業に参入。

株式会社関通
サイバーガバナンス・エグゼクティブ・アドバイザー 達城利元
Googleの知見と生成AIを駆使し、戦略的なガバナンスを構築。
被害企業の教訓を活かした、実効性の高い防御と回復体制の構築を支援する。

株式会社関通
代表取締役社長 達城久裕
EC物流のパイオニアとして事業拡大を牽引。
変化を恐れず柔軟な経営で成長を続け、
2024年にはサイバー攻撃から迅速な復旧と的確な経営判断で
企業を守った実績を持つ。
広報担当:山浦 友華
電話(フリーダイヤル):0800-555-0500
住所:兵庫県尼崎市西向島町111-4
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